シルクは、蚕(かいこ)の繭(まゆ)から作られる天然繊維です。日本語で「絹」や「生糸」ともいいます。
しなやかで美しい風合いの上品な見た目だけでなく、肌にやさしく機能面でもとても魅力的な素材です。
今回は、美と健康によい特性を備え「繊維の女王」といわれ、古来から世界中の人々に愛され続けているシルクの魅力について解説します!
シルク製品(シルクショーツ・シルクインナーなど)を使う際に知っておきたい洗い方のポイントやシルクのメリット・デメリットもご紹介します。
シルク(絹)の特徴
シルク(絹)は、約18種類のアミノ酸が結合した繊維です。
光沢があり、しなやかで美しい見た目が特徴。
人の肌と同じタンパク質構造に近いことから、肌への刺激がとても少ないのが特徴で、肌質や世代を問わず選ばれる人気の高い素材です。
シルク(絹)は、蚕(かいこ)が繭(まゆ)を作り、成虫になるまで過ごします。繭の中は、適度な温度・湿度が保たれ、外敵や太陽の紫外線などから蚕を守り、快適に過ごせるようになっています。
シルク生地のメリット
特徴①…天然の美肌効果
シルクの主な成分は、美肌効果が期待される「フィブロイン」とフィブロインを守るように構成されている「セリシン」の2種でできています。
繭の約70%を構成している「フィブロイン」は、絹糸の元になる白くて細い繊維です。フィブロインは、人の肌を構成する成分とよく似ていて、コラーゲンの主な成分となるアミノ酸がバランスよく含まれており、保湿性が高く細胞再生など肌を育てる効果が期待できます。
「セリシン」は、フィブロインを守る効果があり、フィブロインと似た成分である人の肌も守る効果があるといわれています。
「セリシン」の高いバリア機能として、刺激をガードしてくれたり、紫外線からお肌を守ってくれるなど、美容に嬉しい効果が期待できます。
特徴②…湿度をコントロールしてくれる
シルクは、「呼吸する繊維」といわれるほど吸湿性・放湿性に優れています。
コットンと比べて、吸湿性は約1.3~1.5倍、放湿性は約1.5倍といわれています。
汗をかきやすい夏は、しっかり吸水して肌の状態に合わせて保湿・放湿してくれ、乾燥しやすい冬は、保湿を助けて快適な肌の湿度を保つことができるので、1年を通して心地よい肌環境に整えてくれます。
汗でムレてしまった衣服内もすぐに乾いてサラサラな状態を保ってくれるため、暑い夏はもちろん、室内外の寒暖差が激しい冬でも汗冷えすることなく、快適に着用することができます。
特徴③…紫外線(UV)をカット・吸収してくれる
シルクのUVカット率は、90%前後といわれており、紫外線から肌を守ってくれる効果が期待できます。
これは、蚕が紫外線を浴びると成長が妨げられる性質があるため、シルクの原料となる繭には、紫外線を吸収する性質があります。
シルク素材の衣類を着用することで、紫外線から肌を守ってくれるため、日焼け止めを塗ると肌が荒れてしまう敏感肌の方にもおすすめです。
特徴④…静電気が起きにくい
シルクは、化学繊維と比べ保水量が高いため、静電気が起こりにくいのも特徴です。
冬に突然バチっとくる静電気は、アレルギーの原因となるホコリやダニも引き寄せやすいため、静電気が起きにくいシルクなどの衣服を着用することで、アレルゲン物質の付着を予防するのに役立ちます。
しかし、一緒に着る洋服や湿度・体質などにより、静電気が発生する場合もあります。
静電気が起こりやすい寒い季節は、お客様から「静電気が起きるから、偽物のシルクでは?」とご心配のお声をいただくことがありますが、ボディヒンツのシルク商品は、公的な検査機関で【シルク(絹)100%】となっている商品ですので、安心してご着用ください。
どうしても静電気が起きてしまう場合は、肌を保湿したりや静電気防止グッズを上手に取り入れ予防対策を行いましょう。
特徴⑤…夏は涼しく、冬は暖かい
シルクは、水分を吸い込むと、すぐに放出してくれる作用もあります。その際、一緒に気化熱も奪ってくれるため、汗を吸収し放出することが多い夏ほど、ひんやりと涼しく感じます。
またシルクは熱伝導率が低くく、繊維間のきめ細かい空気の層に暖かい空気をたくさん貯め込むことができるため、寒い冬には抜群の保温性を保つことができます。
女性は、子宮があることで臓器が複雑になっているため、身体が冷えやすいといわれています。
薄くて軽いのに保温性に優れたシルクは、冷えとりに効果的です。冷え性で困っているという方は、簡単にはじめられる下着やインナー・靴下を万能なシルク素材に変えてみてはいかがでしょうか。
シルク生地のデメリット
たくさんの魅力を持つシルクですが、注意したいデメリットもいくつかあります。
シルク商品を試してみたいという方は、取り扱いの注意点も確認しておきましょう。
虫に食われやすい
シルクは、虫に食われやすい特徴があります。
保管する際は、しっかり汚れを落とした後、密閉性の高い衣装ケースに防虫剤と一緒に入れ、虫食いを防止しましょう。
生地が繊細でキズ・シミができやすい
シルクは水に弱く、長時間濡れたままにしておくとシミになってしまうことがあります。
また摩擦にも弱くキズつきやすいことや紫外線を吸収し変色しやすいという点からもシルクのお手入れ方法には注意が必要です。
シルクの洗濯方法とは?
「シルクは、洗い方がめんどくさいのでは?」と避けていた方もいるかもしれませんが、洗濯のポイントを知っておけば簡単です。
シルクの洗い方については、商品に付いている洗濯表示を必ず確認しましょう。
『手洗いマーク』がついている場合は、自宅で手洗いすることができます。『洗濯マーク』に×が付いている場合は、クリーニングに出してプロに洗ってもらう方が安心です。
シルクは手洗いor洗濯機?
【シルクの手洗い方法】
①シルクの一般的な手洗い方法としては、洗面器に20℃程度のぬるま湯を入れおしゃれ着用の洗剤(中性洗剤)を溶かし入れます。普通の洗濯用洗剤は、弱アルカリ性のものが多く、シルク生地の劣化をまねく恐れがありますので、洗剤の表示を確認し注意しましょう。
②爪で引っかけたり摩擦が起きにくいよう優しく押し洗いします。
③洗面器のぬるま湯を2~3回変え、泡がなくなるまで優しくゆすってすすぎましょう。
③脱水にも注意が必要です。摩擦に弱いシルクを強くしぼるのはNG!軽く水を切ったら大きなタオルの上に置いて水分を吸わせましょう。
【シルクを洗濯機で洗う方法】
『洗濯可能マーク』があるシルク商品は、洗濯機で洗うことも可能です。
①シルクを洗濯機で洗う場合は、生地が傷まないように必ずネットに入れてください。その際は、なるべく目の細かいネットに入れるようにしましょう。
②洗剤は、手洗い同様おしゃれ着用の洗剤(中性洗剤)を利用し、弱い水流であるドライ(おしゃれ着)コースで洗いましょう。
③脱水はシルクの繊維が傷まないよう15秒〜30秒ほど短時間で行います。
【シルクの干し方】
シルクは、直射日光を当てると変色する恐れがありますので、風通しのよい日陰に干すのもポイントです。
ハンガーにかけると型崩れの原因になる場合がありますので、平干しがおすすめです。
シルク生地は、少し手間をかけるだけで、より長くご愛用していただけます。ご紹介した洗濯方法をぜひ参考にしてみてください。