「ボディヒンツ不良品」基準と原因・対策

不良品 下着のコラム:Column

シルクやコットンなど天然繊維の下着インナーを取り扱っているボディヒンツでは、品質検査をしっかり行い、検査に合格した確かな商品をお客様にお届けしています。

商品の品質には細心の注意を払っておりますが、職人さんが1点ずつ手作業で生産していることもあり、縫製不良などの不具合が生じることが稀にあります。

お届けした商品に万一、不具合があった場合は、商品到着から7日以内に、電話もしくはメールにてご連絡をお願いしております。ご連絡の際に不良箇所の画像をメール添付していただきますと、初期不良の有無確認~返品交換の手続きをより迅速にさせていただくことが可能です。

【ボディヒンツお問合せ先】
 電話:0744-22-6552(受付時間:平日10:00~17:00)
 メール:shopmaster@takagi-co.com(24時間受付)

画像撮影や連絡がわずらわしい場合は、下記に「よくある不良連絡について」まとめておりますので、一度ご確認いただけますと幸いです。

よくある不良連絡

【返品・交換対応の参考事例】
 〇…返品・交換OK
 ×…返品・交換NG
 △…状況により異なります

※あくまで参考になりますので、同じ様な状態でも対応が異なる場合があります。


①長い糸がでている…△

不良品-糸がでてる

裏側にある糸は、ほつれ防止のために始末糸をわざと残している場合があります。表側にある糸は、縫っている箇所を引っ張っていただき、縫い目が広がらなければ切っても大丈夫な場合があります。ほつれたり、縫い目が広がる場合は、縫製不良の可能性がありますので、気になる箇所の写真をお送りいただきますようお願いいたします。


②変なニオイがする…×

不良品-におい
特にシルク(絹)製品に多い、ニオイに関するお問合せ。生地によってはシルク特有の匂いがすることがありますが、不良ではございません。使用している絹の種類・カラー(染料)の違いでも匂いに差がでます。またボディヒンツのシルク製品のなかでも、オフホワイトは、シルクの匂いがやや強めとなっております。お洗濯などで改善できる場合がほとんどですので、一度洗濯をして様子をみていただきますようお願いいたします。


③1度の着用(洗濯)で穴があいた…×

不良品-穴あき

着用(洗濯)の際に強い負荷がかかったり、爪がひっかかったりして破損した可能性がございます。大変申し訳ございませんが、着用(洗濯)後の返品交換はお受けいたしかねます。特に、ボディヒンツオリジナルの「米ぬか繊維SK」は、乾燥からお肌を守るスキンケアインナーに特化してつくられたレーヨン混の生地のため、綿100%生地と比べると強度が劣るため、取り扱いにはご注意くださいませ。


④圧着部分が裂けた…〇

不良品-圧着はずれ
圧着無縫製仕様の製品(現在は販売終了)は、とてもデリケートな商品です。圧着が弱い場合など、検品で気づくのがなかなか難しい状況です。圧着不良の可能性と、サイズが合っていない、着用(洗濯)時の負荷などによる破損の可能性があります。着用済の場合でも、商品の状態や着用回数などによって、交換対応させていただく場合がございますので、一度ご連絡いただきますようお願いいたします。


⑤着用したら伝線した…×

不良品-伝線

生地を引っ掛ける、あるいは着用時に何らかのダメージを受けたことが原因です。もし不良で縫い糸が切れて伝線した場合、切り替え部分に大きな穴が開いてしまいます。また切り替え位置より少し下からさけている場合は、縫製不良が原因の伝線である可能性は低いと思われますので、こちらは返品交換の対象になりません。


⑥シミがついている…〇

不良品-汚れ
縫製の際にミシンオイルが付着してしまったorオイル汚れを取る薬剤で変色している可能性が考えられます。このような汚れは洗濯で落ちる場合がほとんどですが、衛生商品のため検品で除外するべき商品です。すぐに交換対応をさせていただきますので、ご連絡をお願いします。(※稀に生地の摩擦によって汚れて見える場合がございます。その場合は、未着用・未洗濯のみ対応となりますので、ご了承ください)


⑦縫い目付近に穴が数ヶ所あいている…〇

不良品-糸切れ
縫製の際、ミシン針で縫い糸をキズつけてしまった可能性があります。検品で発見しづらい不良になります。すぐに交換対応させていただきますので、ご連絡をお願いします。

 

⑧表示サイズより少し小さい…×

不良品-伸縮
生地の縮率(生地が縮む割合)が高い商品のため、不良ではございません。主に綿100%エアリーガーゼ製品に多く発生します。生地の特性上縮みが起きるため、縫製時の糸調子などにより、どうしても個体差がでてしまいます。水に濡れたり手で数回触れただけで、縮みが発生する場合もあります。お洗濯後、干す際に形を整えたり、ご着用いただくと元の形にもどりますので、生地の特性と考えていただき、そのままご使用ください。


⑨二重マチ部分がほつれてきた…〇

不良品-縫製不良
縫製不良によりシートの重なりが浅く、パンクが起きている可能性が考えられます。すぐに交換の対応をさせていただきますので、ご連絡をお願いします。


⑩静電気がひどい…×

静電気が起こる原因は、一緒にご着用いただくお洋服との相性や、気温・湿度、体質などの影響が大きいため、不良ではございません。同じシルク綿素材などの天然繊維と合わせていただくと軽減する場合がございますので、お試しください。【コラム】シルク素材でも静電気が起きる?!

ボディヒンツの不良品の原因と対策

顕微鏡

ボディヒンツでは、『不良品ゼロ』を目指し製品をつくっています。しかし、多くの品質チェックを行っていても、全てを防げるわけではないのが現状です。出てしまった不良品と真摯に向き合い、原因を突き止めて対策を取り、今後の製造に活かすことが私たち生産者の使命だと思っています。

ボディヒンツでは、下記の手順で不良個所の原因確認を行っております。

不良品の確認流れ

ではここからは、不良の下記8つの事象について、ボディヒンツで行っている対策を詳しくご紹介していきます。

1. 穴あき(糸切れ)
2. 穴あき(虫食い)
3. 斜行
4. 黄変(Noxガス)
5. 黄変(BHT酸化防止剤)
6. 毛玉(ピリング)
7. 飛込み、ネップなど
8. 色ムラ(中希)


1. 穴あき(糸切れ)

編み物機械
編み物の損傷は、1本の糸で構成されていることから一個所でも切断されると、その影響は動くたびに編み構造が解け、徐々に拡大していくことになります。

穴あき(糸切れ)
ニットに使用される糸は、毛糸のように撚りの甘いものが多いために、摩擦によって糸構造から繊維が飛び出し毛羽立ちが発生し、毛玉に発展したりして糸が部分的に細くなり、最終的に糸が切れ穴あきに発展してしまいます。

対策 甘撚り糸使用の場合、破裂強度試験で生地強度を確認する

 


2. 穴あき(虫食い)

穴あき(虫食い)

虫食いによる穴あきは、まず素材が毛・絹などの蛋白質繊維であることを確認します。(※ポリエステルなどの合成繊維では、原則的に虫害は発生しない)その次に顕微鏡で穴を観察すると、虫が噛み切ったスプーン状の歯型が見られます。繊維が食べられてしまうので、繊維がきれいに消えて無くなるという特徴があります。

対策 ・毛・絹商品の保管時は防虫剤を使用する
・高温・高湿にならない環境で保管する

 


3. 斜行

斜行
斜行とは、脇線が洗濯後に曲がり着用しづらくなる現象です。主に綿100%などの天然繊維の生地に発生します。糸の元に戻ろうとする力と丸編み機によるらせん状に編まれた生地のゆがみにより、斜行が顕著に起きてしまうといわれています。

単糸・双糸
撚り糸の元に戻ろうとする力によって反発力が起きて編み糸がよじれ、縦方向に斜行が発生してしまうことがあるため、最初から生地に斜行を残した状態にすることで、その後の洗濯や乾燥などによるさらなる斜行の発生を抑えることができます。

糸より

対策 ・双糸・S撚りとZ撚りの両方を使用する
・斜行した状態で裁断・縫製する

裁断

 


4. 黄変(Noxガス)

黄変
ガスは車の排気ガスや石油・ガスストーブ・ガスコンロなどから発生するNoxガス(酸化窒素ガスなど)の影響で、生地が黄色く変色することがあります。ポリウレタン・ナイロンなどの素材で発生することが多く、Noxガス以外にも光や熱、汗など多岐に渡るため、原因の特定は非常に難しいといわれています。

対策 生地加工(仕上げ)時に弱酸性(PH6以下)にする
※酸性が強くなると糸強度が低下するので注意が必要

 


5. 黄変(BHT酸化防止剤)

黄変
Noxガスによる黄変以外にプラスチックやポリウレタンなどの劣化を防ぐため使用される酸化防止剤(BHT)が酸化窒素ガスなどと反応して生地に吸着し、変色(黄変)することがあります。酸化防止剤(BHT)は、包装資材のナイロン袋や発泡ウレタン(パッドなど)にも含まれているため、包装資材を使用する際は、紙の場合「バージンパルプ※」を使用し、またウレタンパッドを使用する際は、BHT含有量を確認することが重要です。

※バージンパルプとは、古紙などを再生したものではなく、木材から製造した新しいパルプのことです。古紙から再生されたものよりも強度や白色度に優れています。

対策 BHT含有量(50ppm以下が望ましい)の事前確認などを行う

 


6. 毛玉(ピリング)

ピリング-毛玉
毛玉は、着用の繰り返しや洗濯時の摩擦によって生じる現象です。発生メカニズムは、生地の表面が摩擦などの作用を受け、繊維の先端が毛羽となり、それらが束を作り絡み合って毛玉を生みだします。

対策 染色加工時に抗ピル加工を行う
※抗ピル加工とは、毛玉の原因となる毛羽を薬剤で短くし毛玉の発生を防ぐ加工(風合いが硬くなるデメリットがある)

 


7. 飛込み、ネップなど

ネップ
飛込みとは、生地とは違う色が混入する生地不良のことです。糸をつむぐ紡績の際に、綿花以外のゴミ・不純物が混入することで発生します。 綿花の手摘みや回収の際に、使用した回収袋から糸屑などが剥がれ落ち混入することや積む作業時のバンダナなど身につけているものが混入することが原因と考えられています。

ネップとは、繊維同士が絡み合って毛玉のようなものとなった状態のことをネップと呼びます。繊維の短い綿糸に多く見られ、さけることができない天然繊維ならではの風合いともいえますが、ネップが大きくなると指で触ってゴロゴロするため、着用時の違和感につながります。

対策 不良の基準(飛込み:赤×、5mm以上× 、ネップ:5mm以上×など)を決め、生地検査で取り除く

 


8. 色ムラ(中希)

染色の色むら
色ムラ(中希)とは、一反の布生地(無地染め)の中で、両耳端と中央部分の色が違うことをいいます。染色工程中に染色釜の中で生地が回らなくなってしまうことや、漂白が十分に行われなかったこと(染色前から下地の色が揃っていない)などが挙げられます。染料が生地に固着するスピードが異なる染料を組み合わせていることも原因になる場合があります。

対策 ・染色工程中に窯の動きを止めるなど、通常と異なる作業を避け、染色条件の安定を図る
・染色後の検反で端と中央部の色差を確認する動作をマニュアル化し、発見を早める

 

最後に…

タカギ生産工場

ここでご紹介した不良の原因は、糸・生地・染色・加工・縫製など、それぞれの工程で起因するものが多く、それは素材の特性を深く理解し、特性に合わせた製造を行い改善していくことが、重要だと考えています。

ボディヒンツでは、これからも「お客さまへ安心・快適・信頼をお届けする生産者」として、『不良品ゼロ』を目指してご満足していただける商品を製造してまいります。


▼ボディヒンツの返品交換について詳細はこちら
https://www.shitagiya-japan-made.jp/f/guide

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